鉄道総研の技術遺產

摘要

鉄道総研国立研究所の周囲を一周していた試験線はループ線とも呼ばれ，かって市販の地図に図示されていたためか，所外からも関心が高く，問い合わせなどがたびたびあったようです。このループ線は，1961(昭和36)年の国立移転第一期工事の竣功と同時に完成しましたが，前年の1960(昭和35)年12月に開催されたアジア鉄道会議（ARC)で，一部区間を使用して車両展示が行われ，当時の最新鋭であったキハ81系特急形気動車をはじめ，EF30形ステンレス製電気機関車，近鉄ビスタカー（10100系電車）などの車両展示が行われました。本館や実験棟などの主要工事は，旧国鉄東京工事局によって行われましたが，ループ線の敷設工事は東京鉄道管理局が担当しました。