計算機の進歩と大規模流体シミュレーションの進展

摘要

スパコンの性能は過去50年以上にわたり，ハードウエア的なさまざまな技術革新により,3年間で約10倍，10年間で約1,000倍という割合で向上してきています。このような計算機の性能向上に伴い,従来よりも桁違いに大規模なシミュレーションを実施することが可能になっており，それにより，モノづくり分野においても技術革新が期待されています。ここでは，空気や水の流れなどの数値シミュレーションを例にとり，大規模な流体シミュレーションを実現するために必要となるさまざまな工夫についてご説明するとともに，自動車や船舶のまわりの流れのシミュレーションなど，実際の実証計算事例をご紹介いたします。