リサーチ·ダイジエスト

摘要

PC桁では，ASR抑制対策の一つとして，製鉄工程で排出される高炉スラグでセメントの一部を置換し，アルカリ総量を低下した，高炉セメントを用いたコンクリート(以下，高炉コンクリート)の使用が期待されています。本研究では，高炉コンクリートの養生条件と強度発現特性，クリープ·縮特性を評価し,PC析への適用方法について検討しました。セメント種，載荷開始時材齢，載荷応力，試験体寸法をパラメータに，円柱試験体の一軸圧縮クリープ試験を最大約900日間実施し，高炉コンクリートのクリープ係数および収縮ひずみは，現行の算定式を参考とすることにより，普通セメントの場合と同等の精度で評価可能であることを把握しました。さらに，高炉コンクリートを用いた鉄道PC桁のたわみと有効プレストレスは，強度発現等を考慮して配合およびプレストレス導入材齢を変更することで，皆通セメントを用いた一般的なPC桁と同等とすることができることを確認しました。