道路交通流の阻害低減のための踏切群制御手法

摘要

都市部のラッシュ時間帯では，踏切遮断による道路交通流の利便性低下が問題となっています。対策として，踏切の警報時間を短縮する方法がいくつか提案されていますが,道路交通への効果や影響を考慮した踏切制御には課題がありました。そこで，一定範囲の複数踏切の道路交通流を考慮して,道路交通流を改善すベき状況にある踏切を推定し，その踏切の警報時間の短縮により道路交通流の阻害低減を図る「踏切·列車群制御手法」を構築しました(図)。さらに，この手法の効果を評価するため，踏切と列車の動作を模擬するシミュレータと，踏切道内と周辺の道路交通流を模擬するシミュレータを構築しました。これらのシミュレータを連携させて，ある都市圏線区のラッシュ時間帯を対象にケーススタディを行った結果，構築した手法の適用による警報時間の短縮，踏切手前で滞留する自動車の台数の減少を確認し，道路交通流の阻害を低減する効果があることを示しました。