若手技術者のための土木講座シールドトンネルの設計と施工

摘要

都市部の地下に敷設される鉄道トンネルは当初、駅•駅間トンネルともに開削工法で築造されていたが、路上の交通混雑と浅層地下のインフラ設備の輻輳に伴い、開削工法の適用が困難になってきたことから、駅間トンネルを中心として非開削工法であるシールド工法が適用されるようになった。シールド工法は、フランス人技術者のブルネルが「船食い虫」の動きをヒントに考案し、ロンドンのテムズ川河底を横断するトンネルの工事に初めて採用された。日本では1920年に施工された羽越線折渡トンネルの一部区間で初めて採用され、続いて山陽線関門鉄道トンネルでは1939年(下り線)と1943年(上り線)に採用された。