塩害

摘要

鉄道の高圧配電線は、路線上に張り巡らしてあり、鉄道の電気設備である信号保安設備や踏切保安設備、照明ゃェレベーター·エスカレーター等の駅舎用設備へ電力供給を行っている。その鉄道の電気設備へ電力を供給するため、架空高圧配電線から地上の電気設備に降ろす分岐点を敷設しなければならない（図-1)。その分岐を行うために必要となるのがケーブルヘッド（写真-1)である。ケーブルへッドは架空高圧配電線を上部、地上設備へ降ろすケーブル側の下部を電気的に接続（接続部分は絶縁性のカバーで覆われている）し、変電所から送電された電気を地上の電気設備へ供給している。そのケーブルへッドが台風や強風の影響により海水を巻き上げ、塩分を含んだ風がケーブルへッドの接続部分（鉄板部分）に、塩分を付着させることがある。その塩分が湿気や雨等により水分を含んでしまうとケーブルへッドの絶縁性能を低下させ、本来電線内の導体を流れる電気がケーブルヘッドの表面を伝って漏電し、結果ケーブルヘッドが焼損を起こしたり、変電所が地絡を検知することで送電を停止してしまう。そのため、沿岸部に近く潮風の影響を受けやすい場所においては、耐塩型ケーブルへッドを使用するなど、対応が求められる。