室内土質試験によるフライアッシュ系改良材の液状化対策効果に関する研究

摘要

本研究は，フライアッシュを主原料とする改良材(Flyash Improver)による，埋設構造物埋戻し部の液状化対策工法の検討を，一連の室内土質試験により実施した.着目点は，改良土の液状化抵抗性と再掘削性である.主な結果を以下に示す.1)セメント添加率2%養生28日における改良土(CEM改良土)の一軸圧縮強さは，同じ添加率，養生期間のFAI改良土の値より非常に大きい.一軸圧縮強度より推定される現行の掘削性評価法に拠れば，セメントによる埋戻し土の固化では，掘削性に問題がある一方で，FAI改良土では十分な掘削性が確保されていると言える.2)未改良豊浦砂供試体，FAI添加率2%供試体およびFAI添加率5%供試体に対して液状化試験を実施した.FAI添加率の増加に伴い，供試体の液状化に対する抵抗性は増加した.3)動的計測による微小せん断剛性率G_dと液状化強度R_(L120)の関係には，概ね正の相関があることが分かった.このことから，原位置での微小せん断剛性率の計測により，FAIによる地盤改良効果を確認できると考える.