MID工法によるEHDポンプの製造

摘要

MID (Molded Interconnect Device)とは，表面に電気配線回路（金属膜）が形成された射出成形品であり，電気的 機能と機械的機能を同時に有する三次元構造体である. 一般的な電気機器はプリント基板や筐体などから構成され るが,それらを一体としたMIDを採用することで部品点 数及び組立工数の削減が可能となる.このようにMIDを プリント基板の代替にする場合は，金属膜が「信号の伝達」 として機能する.一方で，携帯機器のアンテナやLEDの 反射鏡のように，筐体に形成された金属膜によって新たな 機能を発現するMIDがある.このとき，金属膜は「場の 形成」として機能する.その他にも金属膜と構造体を一体 化することでアクチユエータやセンサなどへの展開が期待 される.筆者らはMIDの新しい用途として，MID工法を 用いてEHD (Electro Hydro Dynamics)ポンプを製造した.