ウレタン壁内注入と窓の断熱改修効果の2020年までの予測: 住宅の断熱改修による温室効果ガス排出削減に関する研究

摘要

我が国における既存住宅の戸数は2003年に4600万戸を超え増加の一途をたどっている。一方で新築住宅の戸数は年間約120万戸前後で推移しており、既存住宅の戸数が圧倒的に多い。しかしながら既存住宅の断熱性能は必ずしも十分な水準ではなく、例えば1998年の統計では全体の約70％が従来型と言われる無断熱あるいは低断熱水準の住宅である。また、断熱が施されている住宅についてもその大半が昭和55年告示の住宅の省エネルギー基準（以下、旧基準）レベルであり、住宅分野の省エネルギー対策を推進するためには既存住宅の断熱改修が不可欠である。