ICタグを活用したコンクリートのトレーサビリティ確保技術 -鉄筋コンクリート床部材中に投入したicタグの通信可能確率-

摘要

本研究では、以下の成果を得た。 (1) 鉄筋コンクリート中に投入されたICタグと鉄筋コンクリート外 部のリーダ/ライタ（R/W)の通信性を明らかにするため、IC タグと鉄筋の位置関係（6種類のケース）、ICタグの向き（4つ の回転軸）および通信角度（0〜345°における24水準）の組合 せによる種々の条件を作り出し、それぞれにおける通信可能深さ を調査した。 (2) (1)の結果をもとに、鉄筋コンクリート中に投入されたICタグの 通信可能確率を計算する方法を提案した。 (3) 鉄筋コンクリ一ト床部材の実施工において、コンクリートにIC タグを投入して通信可能確率を調査した。 (4) (3)の鉄筋コンクリート床部材を対象として、通信可能確率の計 算値と実測値を比較検討した。通信可能確率の計算値は、実測値 よりも大きいものであった。今回は1ケースの実験結果との比較 であったが、今後は実測データを蓄積して検証する予定である。 (5) ICタグの投入数量と通信可能確率の関係を検討した。すなわ ち、1製品単位のコンクリート中に何個のICタグを投入すれば 鉄筋コンクリート床部材中に通信可能なICタグを存在させるこ とができるのかというICタグの必要投入数量の目安を示した。%It is important to develop an information traceability system on the process of concrete production. One method is to record an identification number or the information about the concrete production with wireless IC tag, and to put it into the concrete that has not yet hardened. This method has a characteristic to keep the information inside the concrete itself. On the other hand, this method requires communication performance between IC tag inside the reinforced concrete member and performance. This paper describes a study on the communication performance of IC tag embedded in the actual reinforced concrete floor slab.