中性化後の鉄筋腐食の進行を考慮したRC造建築物の耐久性評価に関する研究(その1)：高炉セメントB種を用いてかぶり厚さが異なる試験体における実験結果

摘要

本研究で得られた結果を以下にまとめる。(1) コンクリートの含水率を飽和度で示し，中性化後の鉄筋腐食状況および鉄筋腐食速度との関係について考察した。(2) 電気化学的に中性化後の鉄筋腐食速度を測定し，かぶり厚さ，含水状態と中性化後の鉄筋腐食速度の関係を得た。(3) かぶり厚さが10mmの場合は，飽和度が50%を下回ると極めて遅い腐食速度，飽和度が50%を上回ると高い腐食速度となった。また，飽和度が50%において中性化後の鉄筋腐食速度が最大となった。この理由として，鉄筋位置におけるコンクリート細孔中の水と酸素の存在量が影饗したものと考えられる。