VHF無線電話通信から見た伊勢湾の海上交通状況

摘要

近年、AIS（Automatic Identification System）と その情報を表示する装置を塔載している船舟白の増加 に伴い、VHF無線電話装置（1）（以下、無線電話と いう）による通信が増加している。これは、AISの 静的情報により船名の確認が容易になったためと考 えられ、通信を行わない場合に比べ他船と接近する ような事例が観測されている。 　無線電話通信を行えば、相手船とより確実な意志 疎通が可能となるが、著者らが無線電話通信を聞い ていると、円滑に利用できず、混信やチャンネルが 拓較していたり、使用言語によっては、船舶間で正 しく意志の疎通ができていない例や、通信規則を 遵守できていないなどの問題が多くあることがわ かった。