ィンバータ電源の大量導入が一機無限大母線系統の電圧に与える影響: その2:電圧適正化の観点から見たインバータ電源の運転範囲

摘要

地球温暖化問題への対策として，太陽光発電や風力発電などィンバータを用いた電源が近年急增しており，この傾向は今後とも継続すると考えられる。一方，これらの電源のィンバータでは電流制御形ィンバータを用いることが一般的であるため，その電圧維持能力は火力発電などの在来型電源におよばない。したがって，これら電源が増大した場合，電力系統の電圧制御が困難となるおそれがある。すなわち，インバータ端での電圧の変動や，電圧安定性の低下などの技術課題が懸念される。また，インバータ電源ではその保護のため故障電流を抑制することが一般的である。このため，その連系量が增加すると電力系統の短絡容量が低下するが，それは電力系統の背後インピーダンスの增加に対応する。短絡容量が小さい電力系統は「弱い系統」と呼ばれ，インバータ電源の連系にあたっては電力品質や制御の安定性などに配慮が必要であるとされている。ここに短絡容量比が3程度以下の系統を弱い系統と呼ぶことが多い。