利益確保につながる環境経営

摘要

印刷物の売上減少が続く中で,パッケージ（紙器や軟包装）の世界は一般のメディア印刷物とは異なる市場ニーズがある.デフレスパイラルの中で生活者の購入支出は抑えられ,円高基調ともなれば原材料やエネルギーコストの低廉化を商品価格に反映させなければ売れないという情勢が続く.このような厳しい状況であっても,安全,安心,健康を意識している消費者に「環境」は関係ないとはいえない状況は強まっていると考えるべきである.本稿では,市場から求められる環境対応を意識した印刷の本音と本質を見極め,CO_2排出量の見える化による印刷会社の利益確保,パッケージでのカーボンフットプリント表示の意義,今後の市場展望と印刷物の環境配慮から考える印刷会社の対策を述べる.これらのことを皆様に考えていただく一助となれば幸いである.