第二名神高速道路杉谷川橋（下り線）の設計・施工: 実橋への新工法の適用

摘要

従前から，山岳部の急峻地形においては，大規模な工事用道路を必要としない片持ち張出し架設工法によるPC箱桁橋が多く採用されているが，工費縮減ならびに施工の合理化を図るために，波形鋼板ウェブ構造が積極的に採用されるようになってきた。波形鋼板ウェブPC箱桁橋は，1980年代にフランスで開発され，その後，わが国においてさまざまな改良が加えられ実橋に採用されてきた。旧日本道路公団が初めて波形鋼板ウェブ構造で施工した本谷橋（東海北陸自動車道）では，工費縮減や施工の合理化などを目的として波形鋼板とコンクリート床版ならびに波形鋼板相互の接合方法においてわが国独自の構造が採用されている。