日本建築学会「プレストレストコンクリート造建築物の性能評価型設計施工指針(案)•同解説」の発刊について

摘要

2014年度に日本建築学会から新しく発刊される予定の，「プレストレストコンクリート(PC)造建築物の性能評価型設計施工指針(案)•同解説」は，近い将来に設計手法の主流になると考えられている性能評価型設計の思想を取り入れたものである。同指針(案)は，材料•施工,常時設計，耐震設計，部材構造性能評価，設計例からなる5つのパートによって構成されている。それぞれのパートでは，PC造建築物の設計および施工に関わる最新の知見を取り入れて詳細な解説を加えているので，PCの技術資料すなわちハンドブックとしても活用できる。さらに，豊富な設計例によって，新しい設計法や施工法に関する具体的な運用•活用方法が丁寧に解説されており，PC構造についての知識や経験が少ない設計者や初学者に対する参考図書としても十分に活用できる内容となっている。本解説では，同指針(案)が発刊されるに至った歴史的背景を述べるとともに，その内容について，特筆すべき項目を取り上げて概説する。