ネアックルン橋(つばさ橋)の施工: 南部経済回廊を繋ぐカンボジア初の長大斜張橋

摘要

ネアックルン橋建設プロジェクトは，カンボジア王国の首都プノンペンから南東60kmに位置し，ホーチミン-プノンペン-バンコクを結ぶ南部経済回廊(アジアハイウェイ)の一部としてメコン河の渡河地点に斜張橋他を建設するものである。工事の全長は橋梁部と土工部を合せて全長5.4kmあり，日本の無償資金協力により計画されたものである。メイン橋は橋長640m,支間長330mのエッジガーダーを有するPC斜張橋である。上部工の施工は片持ち架設工法であり，下支え式移動作業車を採用して8mのブロック長とすることで工期短縮を図った。また，主塔施工では型枠と足場が一体となったシステム型枠および鉄筋のプレフアブ化を採用して施工の省力化を図った。アプローチ橋はメイン橋を挟んで東側に900m,西側に675mのPCコンポ橋である。現場内で製作したPCI桁を場内運搬し，2組の架設桁による抱込み式架設工法によりPCI桁を架設した。また，PCI桁の架設後はPC板の敷設およびRC床版の施工を行うとともに，横桁連結による5径間連続化を行って橋梁を構築した。本稿は本プロジェクトのとくに橋梁部の施工について，その詳細を報告する。