南相馬市立総合病院脳卒中センターの設計•施工: ドライジョイントとしたPCaPC細幅外周架構を有する病院

摘要

本建物は，福島県南相馬市における東日本大震災からの復與シンボルとして計画された市立総合病院である。構造は，内部 架構を鉄骨造，外周架構をドライジョイント（現場打ちコンクリートによる部材の接合がない）で計画したブレキャスト鉄筋コンクリート造（大梁：PCaPC圧着工法.柱：PCaRC造）とした混合構造（一部，SRC造）となっている。この外周架構は， スレンダーなコンクリート断面（見付け幅420mm)とし，建物のファサードとしての役割に加え，耐展要素としての機能も 有しており，意匠と構造の融合を図っている。外周架構をPCa化した本建物の施工では，生コン車両の往来を低減できるなど, 隣接する既存病院や近隣住民への負担軽滅を図っている。また.PCa部材の製作では，打込み,養生に配慮して品質と精度を 確保し，建方時には，緊張時の軸伸縮量を想定して据付け位置を管理するなど，高い精度の建物を実現した。