札樽自動車道大野橋（上り線）床版取替え工事: 北海道の大規模更新で最初の床版取替え工事

摘要

高速道路リニューアルプロジェクトのうち，北海道における大規模更新で最初の床版取替え工事となる大野橋床版取替えエ 事（上り線）の工事報告である。大野橋（上り線）は，1972年札幌オリンピックの開催に合せ，1971年に竣工した橋長 162.55 mの鋼4径間連続非合成鈑桁橋である。建設から40年以上経過した床版は，下面のひび割れゃエフロレッセンスの析出， 上面の土砂化など老朽化が激しく床版取替えは急務であった。床版取替えは既存のRC床版を撤去し，プレキャストPC床版 への更新を行った。プレキャストPC床版の継手形式は，一般的なループ継手における下側張出し部を取り除いた，あごなし ループ継手を採用し床版厚を低減した。さらに，壁高欄地覆部を工場にて床版部と一体打設し打継目を無くすことで，地覆部 と床版の完全一体化を図り雨水の浸入を遮断した。また，壁高欄にはループ継手により床版との剛接合を実現したプレキャス ト壁高欄を採用し，施工期間の短縮を図った。