解説博士論文X線全反射ミラーを用いた 走査型蛍光X線顕微鏡の開発

摘要

博士後期課程に進学することに決めた理由はいくつもあ るのですが，どれか一つが決定的だったというわけではあ りません.大学入学当初からチャンスがあればPhDの取 得も考えていたといえば，そうでもあったように思いま す.所属していた研究室は，もともと博士後期課程の学生 が何人かおり，また，企業からPhDを取りにきている方 もいて，後期課程への進学がそれほど珍しいものではなか つたこともまた進学を後押ししたようです.ちょうど研究 室の同期も後期課程へ進学しています.そして，学科が COE プロジェクトという研究•教育プログラムに採用さ れ，博士後期課程の学生の数を増やそうとしているまさに そのタイミングでもありました.指導教員の山内和人教授 も進学を熱心に勧めてくださった（しかし，研究室の全員 に同じことをおっしゃっていたかもしれませんが……）と いうこともプラスに働いたのだと思います.それと，私の 研究分野（精密加工，X線光学）では，PhD取得後の就 職状況は，前期課程修了後と比べて著しく悪いというわけ ではなく，むしろ良い企業に就職できているようでした (これは，所属研究室の就職状況を見てみると現在もその 傾向があります）.このようなことの積み重ねで，気づけ ば後期課程に進学していました.もしかすると，周りに博 士後期課程の学生が多くいる環境が一番の理由だったので はないかと今になつてみれば思います.研究や就職などの 未知に対して多くの情報が得られるのと，PhD取得まで の過程が現実的なもの（死ぬほど大変であっても死ぬわけ ではない）として受け止められるからです.