完全ドライプロセスによる金属と樹脂の一体化「DLAMP」

摘要

近年,地球温暖化防止の観点からCO_2排出量の削減が求められている.その解決策として，輸送機器（特に自動車）の軽量化が必須である.具体的には，自動車部材において主に使用されている金属（鉄鋼，アルミ）を比重の小さい樹脂へ置き換える検討が精力的に行われている.しかし，特に高いレベルの安全性（耐熱性,機械的強度）が求められるエンジン周辺部材，メインホディ等では,そのすベてを樹脂に代替することは著しく困難であり，金属-樹脂複合材による軽量化への期待が高まっている.このニーズに応えるために，ダイセル及びダイセルポリマーは金属に対するレーザー加工を利用した新しい金属-樹脂接合技術であるDLAMP™ (ディーランプ）を開発した（以下，TMを省略）.本稿では，①本手法における接合メカニズムに対する考察,及び②各種試験データ（接合強度，シール性試験，安定性試験）について紹介する.