私的プラスチック工業史一人と技術とプラスチックと一〈XV〉(1)生い立ちの記(敗戦から東京才リンピックまで）

摘要

この連載には.私が近しくしていただいた方々が数多く登場しておられる.本稿第1回目登場（2015年1月〜4月号）の中条澄氏は，プラスチック生産高と価格の関係を体系づけた「中条理論」で知られた方であり，またポリマー系ナノコンポジットを市場に喧伝された方でもある.第5回登場(2016年5月〜8月）の高野菊雄氏は，私の尊敬する大先輩であり，日本におけるテクニカルサポート（今はテクニカルソリューションと呼ばれることが多いが)体制のフレームワークを創りあげた方として令名を轟かせておられる.また第8回（2017年6月〜9月）の大石不二夫氏は，鉄道技研時代から四大泥沼研究とよばれた「疲労丄「劣化」，「腐食」，「摩耗」の分野に敢然とチヤレンジされ，私の勤めたポリプラスチックスが随分お世話になった方である.第10回（2018年3月〜6月）担当の成澤郁夫氏は，山形大工学部長を経て学長を務められ，私も公私共々大変お世話になった方であり，『高分子材料強度学』は今でも名著として名高い(私も1982年第1版第1刷を購入していた！），第14回の本間精一氏は，ェンブラの「テクニカルソリューション」分野では，先述の高野菊雄氏と双璧をなす火御所であり，その誠実な人柄までよく似ておられる.きっと成形加工技術面での功績を，遠慮がちに述べられるに違いない（本稿執筆時点では第一回しか拝読していない）.