π中間子原子を使ってカイラル対称性の部分回復を見る

摘要

標準模型によると、クオークやレプトンはビッグバン後宇宙が冷える過程でヒッグス機構によっrnて質量を獲得したとされ、LHCにおいてヒッグス粒子の探索実験が開始されようとしているが、rn物質の質量のほとんどを担っている核子は、宇宙が更に冷えてクオークが閉じ込められる過程で、rn動的に質量を獲得したと考えられている。後者は、まさに南部先生が予言された[1]、カイラル対rn称性の自発的破れとそれに伴うカイラル凝縮に起因する。近年、π中間子と原子核の束縛状態（原rn子1s状態）の精密分光により、真空中と原子核中ではカイラル凝縮が異なることが、定量的に測rn定できるようになった。その背舅、実験手法と結果を解説する。