クオーク模型によるマルチクオークハドロンの計算: バリオン、メソン、マルチクオーク状態

摘要

2010年8月18日から20日に行われた新学術領域「多彩なフレーバーで探る新しいハドロン存 在形態の包括的研究」による第1回新ハドロンサマースクールで行われた実践演習のうち、クオー ク模型パートの講義録である。 　第1章では、構成子クオークモデルの背景や現象論としての意義、クオークモデルの紹介、標準 的なq朋や嫡配位のクオークモデルで説明し得るハドロンの性質と説明し難いものについてのま とめ、さらに、エキゾチックハドロンについての簡単なまとめと最近の話題について述べている。 　第2章では、状態の空間部分を解くときの手法として確率的変分法の紹介と演習を行った。 　第3章では、スピンとカラー部分の計算を行った。SU（2）、SU（3）、SU（6）のCasimir演算子の 期待値という形で群論を用いて計算する方法、それから、Casimir演算子の形をしていない相互作 用やクオーク質量に依存する相互作用について、直接に計算した期待値の行列を対角化するいわ ゆるmスキームの方法を紹介し、QQ爾系のうち引力となる状態を見つける演習を行った。