PQM模型を用いたブラックホール形成過程・中性子星におけるQCD相転移

摘要

中性子星の内部では超高密度物質が、超新星爆発・重力崩壊によるブラックホールの形成過程では超高温・高密度物質が生成されるため、クオーク物質の生成が期待されている。コンパクト天体現象では、荷電中性条件からクオーク毎に化学ポテンシャルの異なる非対称核物質が生成される。このため、QCD 相転移を議論するには、温度、バリオン化学ポテンシャルのみではなく、アイソスピン化学ポテンシャルを含む3次元QCD相図を考える必要がある。本研究では、ベクトル結合を取り入れたPQM 模型を用いて、3次元のQCD 相図を求め、ブラックホール形成過程で生成される物質や中性子星の内部の温度、バリオン化学ポテンシャル、アイソスピン化学ポテンシャルと比較することにより、これらの現象でのQCD 相転移について議論を行う。