電子-イオン衝突型加速器(EIC)計画

摘要

電子-イオン衝突型加速器（英語名Electron-Ion Collider)、通称EICは高エネルギーQCD物理の将来を担う次期大型加速器計画です。昨年末の2019年12月19日、米国エネルギー省（DOE)によりCD-0が承認され（科学的意義が認められた）、翌2020年1月9日には建設地にブルックヘブン国立研究所(BNL)が選ばれました。今後CD-1,2のレビュー過程を経て、数年後にEICの建設が開始されます。実験の開始は、今からおよそ10年後の2030年頃と予想されます。EICは世界初の衝突型電子-イオン加速器であると同時に、最大衝突エネルギー140 GeVの偏極電子-偏極陽子の最先端加速器でもあり、最大輝度は10~(34) cm~(-2)s~(-1)が目標です。EICでは、主にグルーオンの核子、原子核内でのまだよくわかっていない振る舞いを精密に調べることで、高エネルギーQCDの集大成を目指します。