TDHF+Langevinアプローチを用いた核融合による超重元素合成の記述(review)

摘要

超重元素は今日の原子核物理において最も重要な話題のーつです。この記事では時間依存Hartree-Fock(TDHF)を、Langevinァプローチに基づいた動的拡散モデルと組み合わせるという、超重元素の合成に対する新しいアプローチを紹介します。このアプローチの利点は、TDHFを用いて微視的に捕獲過程の最近接距離を見積もることで、実験パラメータによらない初期条件を動的拡散モデルに与えることが可能な点にあります。今回はZ=120の超重元素合成に注目し、このアプローチを4種類の高温核融合反応に適用しました。計算結果によると、反応間での蒸発残留核が生成される確率の違いは、主に複合核の核分裂バリアの高さや励起エネルギーに影饗を受ける蒸発過程から生じるということがわかりました。