X線写真のステレオ視による頭蓋骨部位の位置測定

摘要

疾病の治療において，身体内部の特定の部位の位置を身体外部から決定することが望まれる場合がrnある．この具体的な例として，口腔外科の施術における眼窩下孔やオトガイ孔への注射がある．これらは頭蓋骨rnにある直径数ミリの孔であるが，そこへ注射を行う場合，それらの三次元位置を皮膚の上から特定する必要があrnる．しかし通常のX線写真では内部組織の二次元的形状を相対的にしか知ることができず，この目的には適しなrnい．そこでX線源の位置を変えて撮影した2枚のX線写真をステレオ視することによって，眼窩下孔やオトガrnイ孔などの身体内部の特定部位の位置を計測する手法を提案する．レントゲン写真のステレオ計測を可能にするrnためには，それを撮影した時点でのX線源の位置を特定する必要がある．更に計算された座標値から実際の位置rnを指示するために，基準となる座標軸を皮膚の上から与える必要もある．これらの問題は基準物体と呼ぶ金属製の枠を用いることで解決する．