領域選択を伴う2段階レジストレーション

摘要

時系列画像を利用した画像レジストレーションでは，注目領域内のオクルージョンやモーションモデルとの近似誤差などが原因で，安定で正確なモーションパラメータの推定が困難なことがある．本論文では，平面射影変換モデルで高精度に近似できる領域を表すマスク画像を使った，領域選択2段階レジストレーション手法を提案する．提案手法は，2段階の画像レジストレーションで構成する．第1段階では，できるだけ長時間にわたって対象のトラッキングを継続するために，隣接フレーム間でモーションパラメータを推定する．同時に，マスク画像を生成して利用する．第2段階では，第1段階で推定したモーションパラメータに含まれる積算誤差を補正するため，可能なときにだけ基準画像に対する直接レジストレーションを行う．このときにも，マスク画像を生成して利用する．実画像を使った実験を通して，提案する領域選択2段階レジストレーション手法の有効性を示す．