ポピュラー音楽で用いられるドラムパターンを対象としたフィルイン自動検出システムの開発

摘要

現在，一般に広く普及しているポピュラー音楽では様々なドラムパターンが用いられることが多い．rnこのドラムパターンは，大きくは「基本リズムパターン」と「フィルイン」とに大別され，人間は基本リズムパターンとフィルインとを感覚的に判別することができるがその判別基準は明らかではない．本研究では楽曲内における近傍との類似度に基づいてフィルインを検出することを試みる．提案手法では，ドラムパターンを三つのサブグループに分割し，連続する複数の小節からなる区間内におけるドラムパターンに対して，前後との類似度を当該区間内で比較することにより，フィルインか否かを判定するのに用いるしきい値を楽曲の流れに従って自動的に求めている．評価実験より，提案手法の有効性を人間によるフィルイン判定結果と比較することで検証し，またその改善点についても述べている．更に，本手法を可視化システムとして実装しており，MIDI楽曲の再生や演奏情報の可視化及びフィルイン小節の提示などの機能を実装している．