負荷容量参照モデルに基づくプロジェクトスケジューリング法

摘要

複数のプロジェクトが既に実施されている状況下にて，新規ソフトウェア開発プロジェクトの実現 可能性を検討するには，製品開発の作業負荷だけでなく，組織の残容量を考慮する必要がある．筆者らはこの考え方に基づき，負荷容量参照モデルを提案した．本論文では，負荷容量参照モデルにおける負荷と容量の統合法，特にプロジェクトスケジューリング法について議論する，スケジューリング問題は整数計画問題として記述する．本手法は，作業負荷を表す負荷グラフと，組織容量を表す容量グラフを入力とする．出力は，作業スケジュールと負荷容量図である．負荷容量図とは，作業負荷が割り当てられた組織の状況を可視化した図である．また，本手法を評価するために，現実的な例題にて計算機実験を行った．その結果，実用的な時間内に解が得られることを確認した．