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摘要

イギリスでは,2012年以降，2〜17歳の子供に，弱毒化した生きたインフルエンザウイルスからつくられたワクチン(生ワクチン)の接種を推奨している。インフルエンザワクチンは鶏卵からつくるため.鶏卵に含まれる微量のタンパク質がまざってしまう。そのため，卵アレルギーの人にワクチンを投与した場合の安全性に疑問がもたれていた。すでに,死んだウイルスからできたワクチン(不活化ワクチン)の安全性は確かめられていたが，生ワクチンを投与した場合の安全性はわかっていなかったのだ。イギリス，インペリアル•カレッジ•ロンドンのターナー博士らは，2～18歳の合計779人の卵アレルギー患者に生ワクチンを投与し，72時間にわたる経過観察を行った。その結果，軽いアレルギー反応を示した子供はいたが，重度のアレルギー反応をおこす者はいなかった。生ワクチンを卵アレルギーをもつ子供に投与した場合でも安全性が確かめられた。