時速約200キロで地盤が流れ落ちる山体崩壊

摘要

写真は，アメリカにある「セント•へレンズ山」が，「山体崩壊」をおこす瞬間をとらえたものだ。山体崩壊とは，表面の山肌が崩れるただの土砂崩れではない。深層の地盤までもが崩壊し，山体が時速200キロ前後の速さで斜面にそって流れ落ちる現象だ。岩がなだれのように崩れ落ちるため「岩屑なだれ」ともよばれる。セント•へレンズ山は，かつては今の姿とはまったくことなり，富士山のように綺麗な姿をしていた。しかし，1980年5月に，粘り気の高いマグマに突き上げられて大きくふくらんだ山腹が不安定になり，山体崩壊がおきた。さらに，この崩壊によって山体内のマグマの圧力が急激に下がったことで大爆発がおきた。