日本初の木造3階建て校舎

摘要

まずは，校舎を設計する際に木造が選択された経 緯について伺った.「学校の創設者の方が羽黒町出身で，50年ほど前 の創立の際，自身が所有する山に学校林をつくり， 生徒たちとー緒に植林を行ったのです.校舎を建 て替える際には，その木を使ってほしいという創設 者の強い思いがあつたのが第ーですね.柱と小梁 に使っているのは学校林のスギです.大梁は高い 剛性が求められるので北海道産カラマツの集成材 を使っています.地元の森林組合の協力ちあって， 最終的には木躯体全体の約6割に地元の木材を使 うことができました.今回，延床面積が5,500m~2 ほどで，敷地面積を考えると3階建てにしないとそ の要件は満たせません.従来は木造3階建ては耐 火構造になるので木造の実現は難しいと思ったの ですが，設計にかかる直前の2015年6月に建築基 準法が改正され，1時間準耐火構造の3階建て校 舎が可能になりました.また，面積が3,000m~2を 超えるため，防火区画の役割を果たすふたつの RC造のコアを口の字の形で設け，木造棟3棟と RC造棟2棟を交互に配置しています」（青木氏).