shibuya1000_009シンポジウムシブヤ広場合戦渋谷について語りあう2時間

摘要

副都心線開業を皮切りに，次々と開発が進む渋谷.shibuyalOOOは，変化し続ける渋谷における魅力を再発見しようと，多様な業種の人びとと共に多角的な視点でまちを考えるイベントとして，2008年にスタートした.第9回目となる今回は「広場」をテーマに，ミュージシャンの小宮山雄飛氏，映画プロデューサーの齋藤優一郎氏，コミュニティFM「渋谷のラジオ」総合プロデューサ一の平井真央氏，FabCafeを手掛けるロフトワークの林千晶氏ら4名によるシンポジウムが行われた.そのなかで林氏は，広場とは「拾う神と出会う場所」であるとして，渋谷はさまざまなものに価値を見つけ拾ってくれる神(=人)がたくさん存在することが魅力だと語った.また，今後は特に高齢者に対して拾う神が必要だとして，中国における自由な広場の使われ方を例に，管理者と利用者が互いに寛容性を持つことで，広場は人それぞれの居場所を見つけるプラットフォームとなり，世代間を越えて支え合うカを生む場になると述べた.その後に行われた内藤廣氏と川添善行氏との鼎談で，川添氏は現在の広場はふれあいを目的としたものが多ぐそのように振る舞いを強いることが広場での窮屈さを感じさせると指摘.また内藤氏は，まちへのポジティブな意見を拾うシステムや，行政に頼り過ぎない自立したコミュニティのカがあれば，広場はより自由になれるとコメントした.変わるまちを受容しながら，渋谷に親しみをもつ人びとが，各々の立場からよりよいまちのあり方を探ろうとする姿が見られた.