教育の地盤を支える行政の仕組みづくり

摘要

学習指導要領は授業時数の取り扱いや教科ごとの目標などがまとめられた教育課程の基準です.1958年から告示として定められ，約10年ごとに内容が改訂されてきました（10年ごとに限らず一部改正が行われることもあります).改訂に際しては，有識者による調査研究·議論を行った上で，検討を進めていきます.その時に学校が置かれている状況をすベてテーブルに乗せて議論を行い，学校に求められていることは何かを考え，社会の状況を踏まえた上で改訂の方針と内容を検討します.たとえば，1989年改訂は「社会の変化に自ら対応できる心豊かな人間の育成（生活科の新設，道徳教育の充実）」，1999〜2000年改訂は「基礎·基本を確実に身に付けさせ，自ら学び自ら考える力などの[生きる力]の育成（教育内容の厳選，「総合的な学習の時間」の新設)」，2008〜09年の改訂では「生きる力の育成，基礎的·基本的な知識·技能の習得，思考力·判断力·表現力等の育成のバランス（授業時数の増加，指導内容の充実，小学校外国語活動の導入）」 と変遷してきました.その時どきの社会の変化や子どもたちの状況を見据え，子どもたちが持っている大きな力をより一層発揮できるように行われてきた不断の改善の積み重ねと言えます.