まち全体で子どもを育む豊中市の取り組み

摘要

平成27 (2015)年の子どち·子育て支援新制度のスター卜は，豊中巿の保育所整備においても大ぎな転換点となりました.新制度施行に伴い,平成25(2013) 年に市民ニーズ調査を行った結果，本市においては小学校就学前の子どもがいる家庭で父母共にフルタイムの家庭の割合が高ぐなっているなど，今後も保育二一ズが増大することが分かりました.また，平成26 (2014)年の待機児童数が132人と上昇傾向にあることも踏まえ，平成27 (2015）年度からの5年間における保育定員について，現状から約1,400人増設する整備計画を策定し，平成30 (201©年4月の待機児童解消を目指すこととしました.その達成に向けた取り組みを迅速かつ機動的に行うため，市役所内に「待機児童解消プロジェクト·チーム」を設置し，市内既存法人による整備に加え，新規事業者参入や新たな施設形態である小規模保育などを導入する仕組みづくり，幼稚園が認定こども園ヘスムーズに移行するためのコンサルティング，不動産事業者と連携した物件マッチング事業を行ってきました.そのほか，都市部での課題である土地の確保のため，国家戦略特区制度を活用した2力所の公園内保育所整備（羽應池ひだまり保育園.トレジャーキッズふれあい緑地保育園）を関西で初めて行いました.また，消防出張所の移転跡地でも，事業者を公募し保育施設の整備を進めるなど，多様な手法を用いて目標を大ぎく上回る約2,000人の保育定員を確保しました.これらの推進は本市にとって初めてのことであり，近隣住民の皆さhや関係機関など，さまざまな方々の理解と協力が欠かせませhでした.たとえば特区の活用では都市公園の機能への配慮などの課題をひとつひとつクリアしていきました.さらには，保育所等をよりスムーズに利用できるように，幼稚園や一時保育ち含め多様な施設の選択肢をニーズに合わせて紹介したり相談に応じたりしながら，入所のマッチングなどを行いました.こうした多様な施策により.平成30 (2018)年4月時点,平成31(2019) 年4月時点と，2年続けて待機児童数ゼロを実現しました.