モダンデザィンが結ぶ暮らしの夢展

摘要

五輪開催の本年,パナソニック汐留美術館では日本をテーマに展覧会を企画.第1弾となる本展は，同時代を生きた7人のデザイナーたちの繋がりと日本独自のモダンデザインの萌芽を，約160点の作品•資料の展示と共に迪る.展示は全5章で構成.1章はブルーノ•タウトと彼を支えた実業家•井上房一郎の協業に注目.ふたりは工芸家具店「ミラテス」でタウトによるプロタクトを販売することで.人びとの暮らしのあり方を変えることを夢見た.そのミラテスを訪れたのがアントニン&ノエミ•レ一モンド夫妻である.2章では夫妻による井上房一郎自邸ゃ笄町自邸等の資料から，日本伝統建築と近代建築の融合を読み取る.3章では「椅子の規範原型の研究」というタウトの課題から製作された剣持勇による椅子を展示し，工業と工芸を融合した「ジヤパニーズ•モダン」の考えを解説する.4章ではレーモンド事務所で建設現場監督を務めた後に家具職人となったジョージ•ナカシマによる家具を展示し，民具の美しさが商品として洗練化した軌跡を紹介.5章は剣持に制作の場を提供され彫刻や家具を制作したイサム•ノグチを取り上げ，内装や庭園の設計等を担当した慶應義塾大学萬來舎を紹介.