ダイハツ•ブーン/トヨタ•パッソ試乗会

摘要

われわれMFiが「30km/ℓのテクノロジー」という特集を組んだのが6年前のこと。その頃のリッター30kmという数字は「もうすぐ届きそうなんだけどまだ達成できない目標」という扱いだった。しかしそれからほどなくしてこの値は決して特別なものではなく、気がつけばかなりのクルマがモード燃費値で軽々クリアする状況になっている。とくに軽自動車では熾烈な燃費競争によって著しい低燃費化が実現しているのはご存じのとおりだ。その陰に隠れてしまっている感の強いのが、1リッタークラスのAセグメント小型車である。ヴィッツ、フィット、マーチ、デミオ、ミラージュ……いずれも世界戦略車であり、各ブランドの最量販帯として重要な任を担う車種。しかしここ日本においては、壮絶な燃費値を掲げ税制優遇も期待できる軽自動車にユーザーの目は向きがちだ。さらに上のセグメントを眺めればプリウスに代表されるHEVが控え、ランニングコストという点では到底太刀打ちできない。そのような四面楚歌の状況においてダイハツは軽自動車の技術ノウハウを小型車開発に投入し、低燃費と低価格を武器に、国内小型車市場で戦えるクルマの実現に努めた。従来のブーン/パッソがトヨタとの共同開発車だったのに対し、新型ではダイハツが企画•開発から生産まですベてを担当していることからも、その意気込みがうかがえよう。