車載式排ガス測定システム(PEMS)を使った路上走行による排ガス試験がスタート

摘要

昨秋、アメリカでVWのディーゼル車の排ガスに関する不正が発覚した。報道でわかる通り、最大の問題は「故意」にあった。現在の排ガス試験は台上で行なうため、試験中だと認識すると、VW車は排ガス中のNOxの量を減らすために、NOx吸蔵型還元触媒や尿素SCRシステムが作動させる不正ソフト(ディフィートプログラム)を搭載していた。VW問題発覚の過程で、他社のディーゼル車も実際の走行時のNOxが規制値より高いとの指摘があつたが、それは違法ではない。登坂や急加速といった測定モード外の状況下で、排ガスが规制値より高くなるに過ぎないからだ。現在、日本の法規では不正ソフトの使用禁止は明文化されていない。したがって、日本でも同じディーゼル車が販売されていたとしても現状では違法とは言えないのだ。一方、EUの法規では「不正の定義」もなされている。ただ、驚くことに、不正確認のための試験方法は、米•欧•日のいずれでも未だ確立されていない。