第3列島線めざす中国海軍&遼寧と飛鯊

摘要

今や中国海軍に所属する軍艦や作戦機が、いわゆる第1列島線の北側(九州以南の南西諸島)を越えて西太平洋に進出することが日常化している。これは、中国海警局の巡視船が、日本の尖閣諸島周辺海域に途切れることなく現れるのと酷似する事態と言えよう。尖閣諸島の領有と第一列島線のプレゼンス(軍事上の存在感)は、中国の核心的利益にかかわるもので断固譲らないと内外に意思表明している中国であるから、手綱を緩めるわけにいかない。ちなみに、第1列島線とは、日本列島の九州を起点として沖縄、台湾、フィリピン、ボルネオ島に至る目に見えない恣意的にひかれた海上ラインである。域内には日本海、黄海、東シナ海、南シナ海が含まれており、中国が領有を主張する台湾や尖閣諸島だけでなく、南沙諸島、西沙諸島、東シナ海ガス田など多くの係争地が囲い込まれる東アジアの紛争地帯でもある。