内航業界の新旧リーダー: 4期8年の長きにわたる重責を全うした上野前会長次世代の内航海運像の構築めざす小比加新会長

摘要

異例とも言える4期8年の長期間にわたり日本内航海運組合総連合会の会長として内航業界を牽引してきた上野孝前会長（上野卜ランステック会長兼社長）が、今年6月の通常総会および理事会で退任した。新会長には、内航総連傘下の全国海運組合連合会で4期8年にわたり会長を務めてきた小比加恒久氏（東都海運社長）が就任し、内航業界は新たな時代に突入した。上野前会長の在任期間中、リーマンショックに端を発する不況や東曰本大震災という未曽有の災害など多くの困難に見舞われたが、持ち前のリーダーシップを発揮し、これらの難局を乗り越え、内航業界の地位向上に大きく貢献した。6月の退任会見において上野前会長は、在任期間中を振り返り、①内航海運暫定措置事業問題②カボタージュ問題③船員問題④震災時等に内航海運が果たすべき役割一の4点を印象に残った事柄として挙げるとともに、これらの問題に対する思いを語った。一方、就任会見の中で小比加新会長は、今年9月に内航総連が発足から50年という節目を迎えるにあたり、「次の50年に向けた新しい礎を築いていくという大事な使命を担っており、決意を新たにしている」と意気込みを語った。