レファレンス質問に対応する公共図書館職員の変容に関する質的調査（概要報告）

摘要

レファレンスサービスに関する全国規模の調査では，2003年度に実施された全国公共図書館協議会による調査（以下「2003年度調査」）と2012年度に実施された国立国会図書館の調査研究事業による調査（以下「2012年度調査」）がある。なお筆者は2012年度調査に携わっている。本研究に先立ち，筆者は青山学院大学の小田光宏とともに，雇用形態（正規職員か非常勤職員か），司書資格の有無に焦点を合わせて比較分析を行った。その結果，レファレンス質問に対応する職員において，司書資格有の職員を配置する一方で，正規職員の占める割合は減少しており，委託等に基づく職員•非常勤職員が占める割合が増加していることが明らかになった。