これからの多文化サービスの可能性を考える

摘要

多文化サービス委員会の浜口美由紀委員長から全体説明と報告者の簡単な紹介がされた。今年度は4名の方から以下の内容の報告があった。米国議会図書館のミーンズ節子氏から「Diversi-ty(多様性)を支える米国議会図書館-初のァフリカ系アメリカ人女性館長と共に進む·コロナ禍·BLM運動-」と題して，多民族国家であるアメリカ合衆国を象徴するような米国議会図書館での業務内容，BLM運動，COVID-19下の状況などが報告された。2016年に米国議会図書館第14代館長に就任したカーラ·へイデン氏は初の女性かつアフリカ系アメリカ人で公共図書館経験者の館長である。ヘイデン氏の経歴紹介の中で，コミュニティの支え·よりどころとしての公共図書館を運営してきた実績·考え方はとても印象的であった。米国議会図書館のコレクションの半分以上は英語以外の多言語資料であり，資料収集に関してはさまざまな経緯がある。そして，そこで働く職員も多様な文化的背景と司書としての専門性をもっている。講演の内容は多岐にわたり，それぞれが大変興味深いものであった。