2011年第3四半期のGDP速報を受けて

摘要

2012年の日本経済を展望するにあたり、まず、それを取り巻く世界経済の動向を確認する。世界経済は減速感をますます強めている。昨今の大きなリスク要因である欧州債務問題は深刻化し、国際金融市場の不安定化を招いている。実体経済面でも、家計や企業のマインド悪化や欧州系銀行の資産圧縮の動きを通じ、震源地の欧州のみならず、米国、新興国、そして日本経済へ悪影響が及んでいる。