社会インフラ企業のリスクマネジメント

摘要

社会インフラとは一般的に、道路•鉄道•上下水道•送電網•港湾•ダム•通信網といった産業基盤施設の他、学校•病院•公園といった生活基盤施設まで多岐にわたる。本稿では、極めて公共性が高く、地域の経済活動を活発にする役割を果たしている産業基盤施設のリスクマネジメントについて検討する。社会インフラは、その公共性ゆえに施設•設備等の安全な維持管理と、広域災害時等における事業継続が期待されている。通常の企業運営と異なる点は、リスクを予防する視点でのリスクコントロールと緊急時の危機管理体制の整備バランスにおいて、よりリスク予防に力点が置かれていることである。多くの社会インフラ企業が、老朽化対策のための保守.点検の徹底や高度な安全性を確保するための新たな技術開発に投資をしている。