5.神経変性疾患における画像診断

摘要

認知症の画像診断におけるmagnetic resonance imaging(MRI)の役割について概説する.認知症とは通常慢性あるいは進行性の脳疾患によって生じ，記憶，思考，見当識など多数の高次機能の障害からなる症候群であり，単一の疾患や類似の疾患群ではない.したがって，原因となるさまざまな疾患があり，それはTableのごとく極めて多数であって，鑑別診断が重要になる更に依頼側が非専門医，一般診療医である場合は認知症に類似したせん妄，意識障害を生じうる疾患も考慮する必要があり，更に多くの病態がありうる.