第44回放射線防護部会シンポジウム「コーンビームCTの被ばくを考える」

摘要

歯科用CBCT装置はインプラントの術前診断をはじめ，歯顎顔面領域において幅広い臨床有用性が報告されてい る.近年急速に普及が進み，今後も更に増え続けると考えられる.しかし装置が普及するー方で，我が国では歯科用 CBCTの線量評価法については+分に議論されておらず，標準化された評価法は存在しない.昨年，日本における診 断参考レベル（DRLs 2015)が発表されたが，歯科用CBCTについては設定されていないのが現状である.CTにおけ る線量評価はー般的にCTDIが用いられるが，歯科用CBCTには適用できないと報告されている.欧州においては SEDENTEX CTにより，歯科用CBCTの DRLの設定に向けた線量評価法が提案されており，この線量評価法は我が 国においても適用可能であると考える.本講演では，歯科用CBCTの現状や被ばく線量，現在提案されている線量評 価法などを紹介し，歯科用CBCTの線量評価の方向性について述べる.