高流動コンクリートの失敗に学ぶ

摘要

私が高流動コンクリートの開発に携わったのは約20年前である。当時東京大学の岡村甫教授（現高知工科大学学長）がハイパフォーマンスコンクリートを提唱され、それを実現し実施工に使用できる技術にすべく開発を担当した。現在でも土木構造物に用いられるコンクリートは硬練りが一般的であり、締め固めずに自己充てん性を付与するということは当時革新的なことであった。この革新的な技術は、小澤一雅先生がプロトタイプのハイパフォーマンスコンクリートをつくり上げられたことから、大きく実用に向けて進化するきっかけとなった。