土木の魅力向上のため“ゆとり”ある工期•工程の導入を

摘要

建設投資が長年にわたり縮小する中で、建設会社の土木技術者と専門工事業の技能者の建設離れが進行してきたが、近年にわかに建設事業量が増大し、技術者•技能者の不足が「担い手不足」としてクローズアップされている。特に、若手の要員不足は技術•技能の伝承に支障を来たし、将来に大きな問題を残すことになる。担い手の減少は、少子•高齢化という日本の人口構成そのものの反映であるから、長期的、抜本的な国の政策がない限り避けられない現象である。しかしながら、今後ますます減少する担い手をさらに産業間でシエア争いするという構図であるため、発注者•受注者協同で建設界の魅力を高めなければ、担い手確保が一層困難となるのは明白である。一方、担い手不足は建設業界だけでなく発注者側においても深刻で、各地方自治体は中途採用を積極的に推進しているため、人材の奪い合いといった複雑な様相を呈している。